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デリバティブとヘッジ会計

デリバティブとヘッジ会計

資料2016年06月29日 【税務通達等】 異なる商品間でのヘッジ及びロールオーバーを伴う取引に係る法人税法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》の適用について(文書回答事例)(平成28年6月23日)

標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1) この文書回答は、ご照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2) この回答内容は国税庁としての見解であり、個々の納税者の申告内容等を拘束するものではありません。

国税庁 課税部
審理室長 山寺 尚雄殿

農林水産省 食料産業局
食品流通課長 高橋 和宏
経済産業省 商務流通保安グループ
商取引・消費経済政策課長 三浦 聡

異なる商品間でのヘッジ及びロールオーバーを伴う取引に係る法人税法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》の適用について(照会)

1 照会の趣旨

(1) 異なる商品間でのヘッジ 異なる商品間でのヘッジが認められるか否かに関して、一定の前提条件の下、ヘッジ対象と異なる類型のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いる、いわゆるクロスヘッジもヘッジ会計の対象となることが金融商品会計実務指針の改正により明確化されました。

(2) ロールオーバーを伴う取引に関するヘッジ会計の適格性 例えば、事業者が輸入を予定している商品の価格変動リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行っていたところ、船積みの遅延等の理由により、予定取引の実行前に満期が到来するデリバティブ取引を決済し、改めて到着見込時期の価格変動に備えた新たなデリバティブ取引を行う場合があります(この新たなデリバティブ取引に係る契約の締結は一般的に「ロールオーバー」と呼ばれています。)。
こうしたケースの取扱いについて、金融商品会計Q&Aに事例が追加されました。

2 照会に係る取引等の事実関係

○ 金融商品会計実務指針(抄)
(ヘッジ取引開始時(事前テスト)) 143. 企業はヘッジ取引開始時に、次の事項を正式な文書によって明確にしなければならない。
(1) ヘッジ手段とヘッジ対象 企業は一般的に市場リスク、すなわち、事業活動に伴う為替変動、金利変動、価格変動のリスクにさらされている。ヘッジ会計を適用するためには、ヘッジ対象のリスクを明確にし、これらのリスクに対していかなるヘッジ手段を用いるかを明確にする必要がある。ヘッジ対象とヘッジ手段の対応関係として、具体的には、例えば、外貨建取引(金銭債権債務、有価証券、予定取引等)の為替変動リスクに対して為替予約取引、通貨オプション取引、通貨スワップ取引等を株式の株価変動リスクに対して株式オプション等を、固定金利又は変動金利の借入金・貸付金、利付債券等の金利変動リスク(相場変動リスク又はキャッシュ・フロー変動リスク)に対して金利スワップ、金利オプション(キャップ及びフロアーを含む。)、金利先渡、金利先物等を、非鉄金属、食糧、食品、燃料等の商品価格変動リスクに対して国内外の商品取引所における商品先物取引・商品オプション取引等をヘッジ手段として用いることが考えられるので、これらの関係を正式な文書によって明確にしなければならない。なお、他に適当なヘッジ手段がない場合には、ヘッジ対象と異なる類型のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いることもできる(金融商品会計基準第102項)。また、ヘッジ手段に関しては、その有効性について事前に予測しておく必要がある。
(2) 省 略
314-2. 金融商品会計基準第102項では、「他に適当なヘッジ手段がなく、ヘッジ対象と異なる類型のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いるいわゆるクロスヘッジもヘッジ会計の対象となる。」とされており、利用可能なデリバティブ取引に制約がある場合には、ヘッジ対象と価格変動が類似する商品のデリバティブ取引をヘッジ手段として利用することが認められている。例えば、石油関連商品をヘッジ対象としてヘッジを行う場合に、流動性が高く価格変動が類似する原油関連のデリバティブを用いる場合などが該当する可能性がある。この場合、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的な関係や価格変動の推移から、ヘッジの有効性を事前に予測しておく必要がある。

○ 金融商品会計に関するQ&A(抄)
予定取引に関するヘッジ会計の中止と終了
第180項及び第181項
Q59-2:当初、6カ月後に輸入を予定しているある商品の仕入価格の変動リスクをヘッジするため、輸入の見込時期に合わせた商品スワップ契約(輸入時期の当該商品の市場価格を参照して固定価格と交換するスワップ契約)を締結していました。しかし、船積みの遅延から1か月程度、到着が遅れることが明らかとなったため、元の商品スワップ契約を満期に決済し、改めて到着見込時期の価格変動をヘッジする新たな商品スワップ契約を締結しました。この輸入の予定取引に対してヘッジ会計を適用していた場合に繰り延べられたヘッジ手段(元の商品スワップ契約)に係る損益又は評価差額は、商品スワップの満期時点で純損益に認識することとなりますか。
A:実務指針第180項にあるように、ヘッジ手段が満期、売却、終了又は行使のいずれかの事由により消滅した場合には、ヘッジ会計の適用を中止しなければならないとされ、この場合、その時点までのヘッジ手段に係る損益又は評価差額はヘッジ対象に係る損益が純損益として認識されるまで繰り延べることとされています。また、実務指針第181項では、「ヘッジ対象である予定取引が実行されないことが明らかになったときは、繰り延べていたヘッジ手段に係る損益又は評価差額を当期の純損益として処理しなければならない。」とされています。
ご質問のケースにおける新たな商品スワップ契約の締結は一般的に「ロールオーバー」と呼ばれる取引の一例です。この場合、当初のヘッジ手段である元の商品スワップ契約について、満期時点で商品の到着より先に決済がなされるため、ヘッジ会計の中止に該当し、実務指針第180項を適用する例の一つとなります。本ケースの場合、引き続き当初のヘッジ指定時に特定された商品の予定取引の実行が見込まれることから、それまでに繰り延べたヘッジ手段に係る損益又は評価差額については、ヘッジ対象に係る損益が純損益として認識されるまで引き続き繰り延べることとなります。
ただし、ご質問のケースとは異なり、予定取引が実行されないことが明らかになったときは、実務指針第181項に従い、当該損益又は評価差額を当期の純損益として認識します。

3 照会事項
(1) 金融商品会計実務指針に追加された第314-2項の例のように、ヘッジ対象と異なる商品のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いた場合、当該デリバティブ取引についても繰延ヘッジ処理(法人税法第61条の6第1項)が認められるか。
(2) 金融商品会計Q&Aに追加されたQ59-2の事例のように、ヘッジ対象である金銭の支払に係る取引で、その実行可能性が極めて高いと見込まれる取引(予定取引)について、その取引の実行時期が後ずれしたことにより、ヘッジ手段であるデリバティブ取引の決済が先行した場合には、ヘッジ対象に係る損益が純損益として認識されるまで(事例では輸入仕入代金が支払われるまで)、当初のヘッジ手段であるデリバティブ取引の決済によって生じた損益額の計上を繰り延べることができるか。
なお、次の事項を照会の前提とします。
①照会事項(1)について、本照会におけるヘッジ手段であるデリバティブ取引については、帳簿記載要件(下記4(1)ロ)を充足すること及びそのデリバティブ取引を行った時から当該事業年度終了の時までのいずれかの有効性判定(法人税法施行令第121条第1項)において、「有効性割合がおおむね100分の80から100分の125までとなっている」との要件(以下「有効性要件」といいます。)を満たすこと。
②照会事項(2)について、本照会におけるヘッジ手段であるデリバティブ取引については、帳簿記載要件を充足すること及びデリバティブ取引を行った時以降決済時までの間、期末時及び決済時のいずれの有効性判定においても、有効性要件を満たすこと。
③本照会におけるヘッジ手段は、全て法人税法第61条の5第1項に規定するデリバティブ取引に該当すること。
④上記前提のほか、本照会に記載する事項以外に繰延ヘッジ処理の適用に当たり必要な要件は全て満たしていること。

4 事実関係に関して照会者の求める見解となることの理由

(1) 繰延ヘッジ処理の概要
イ デリバティブとヘッジ会計 繰延ヘッジ処理によるデリバティブ取引の決済損益額等の繰延べ

法人が、資産(売買目的有価証券等を除く)・負債の価額又は受払が予定されている金銭の額の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額(以下「ヘッジ対象資産等損失額」といいます。)を減少させるためにデリバティブ取引を行った場合において、その行った時から事業年度終了の時までの間において当該資産・負債又は金銭(以下「ヘッジ対象資産等」といいます。)につき譲渡等(譲渡若しくは消滅又は受取若しくは支払をいいます。以下同じです。)がなく、かつ、そのデリバティブ取引が当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められるときは、当該デリバティブ取引に係る利益額又は損失額(決済損益額等)のうちヘッジとして有効である部分の金額として算定した金額(以下「有効決済損益額」といいます。)は、ヘッジ対象資産等の譲渡等の日の属する事業年度まで益金の額又は損金の額への算入を繰り延べることとされています(以下、有効決済損益額の繰延べを「繰延ヘッジ処理」といいます。)(法法61の6①)。
ロ 繰延ヘッジ処理の適用を受けるための帳簿書類への記載要件
繰延ヘッジ処理の適用を受けようとする場合には、デリバティブ取引を行った日において、ヘッジ対象資産等損失額を減少させるためにデリバティブ取引を行った旨、ヘッジ対象資産等及びヘッジ手段であるデリバティブ取引の種類、名称、金額、ヘッジ対象資産等損失額を減少させようとする期間その他参考となるべき事項をヘッジ対象となる資産若しくは負債の取得若しくは発生又はデリバティブ取引に係る契約の締結等に関する帳簿書類に記載することが要件(以下「帳簿記載要件」といいます。)とされています(法法61の6①、法規27の8①②)。
ハ 繰延ヘッジ処理における有効性判定
繰延ヘッジ処理は、デリバティブ取引がヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められる場合に行うこととなりますが(法法61の6①)、この場合の有効であるか否かの判定(以下「有効性判定」といいます。)は、期末時(デリバティブ取引の決済をしていない場合)及び決済時(デリバティブ取引の決済をした場合)に行わなければならないとされています(法令121)。
また、デリバティブ取引が「ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められる場合」とは、デリバティブ取引を行った時から当該事業年度終了の時までの間のいずれかの有効性判定において、法人税法施行令第121条の2各号に規定する割合(有効性割合)がおおむね100分の80から100分の125までとなっている場合とされています(法令121の2)。
ニ 繰延ヘッジ処理におけるデリバティブ取引の決済損益額の計上時期
繰延ヘッジ処理したデリバティブ取引に係る有効決済損益額のうち、当該デリバティブ取引の決済により生じた利益の額又は損失の額は、ヘッジ対象資産等の譲渡等のあった日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされています(法令121の5①)。
なお、繰延ヘッジ処理の適用後、期末時又は決済時における有効性判定において、有効性要件を満たさないと認められる場合には、有効であった直近の有効性判定におけるデリバティブ取引に係る利益額又は損失額と当該期末時又は決済時におけるデリバティブ取引に係る利益額又は損失額との差額は、当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入することになります(法令121の3④)。
また、繰延ヘッジ処理の適用後に、ヘッジ対象とした金銭の受払に係る予定取引(法人税基本通達2-3-53に掲げる履行確定取引又は履行予定取引をいいます。)が事情変更等により実行されないことが確実となったときは、ヘッジ対象資産等損失額も生じないこととなるので、以後、繰延ヘッジ処理の適用はなく(法人税基本通達2-3-56)、それまで繰り延べられていた有効決済損益額は、その事業年度において損金の額又は益金の額に算入することとされています。
(2) 照会事項(1)について
法人税法上、ヘッジ手段としてデリバティブ取引を行った場合に、繰延ヘッジ処理が適用されるのは、上記(1)のイないしハのとおり、帳簿記載要件を充足し、かつ、デリバティブ取引を行った時から当該事業年度終了の時までの間のいずれかの有効性判定においてそのデリバティブ取引がヘッジ手段として有効であると認められることが必要となります。この点、本照会は、上記3のとおり、有効性要件を満たすことを前提としていますし、また、法人が、ヘッジ対象と異なる商品のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いた場合であっても、ヘッジ対象資産等及びヘッジ手段であるデリバティブ取引の種類、名称、金額などの所定の事項が帳簿書類等へ記載されている限り、帳簿記載要件も充足するものと考えます。
また、上記3③のとおり、本照会におけるヘッジ手段については、全て法人税法第61条の5第1項に規定するデリバティブ取引に該当することを前提としているところ、法人税法第61条の6第1項におけるデリバティブ取引について、「ヘッジ対象資産等とヘッジ手段であるデリバティブ取引は同一商品に限る」などといった別段の定めも規定されていないところです。
これらのことから、法人税法第61条の6第1項の適用については、ヘッジ手段とヘッジ対象が同一の類型の商品を参照とするものであることを要件とはしていないといえますので、有効性要件を満たすという前提の下では、本照会の例のようにヘッジ対象と異なる商品のデリバティブ取引をヘッジ手段とした場合であっても、繰延ヘッジ処理が認められるものと考えます。
(3) 照会事項(2)について
本照会の事例は、当初、6カ月後に輸入を予定しているある商品の仕入価格の変動リスクをヘッジするため、輸入の見込時期に合わせた商品スワップ契約(輸入時期の当該商品の市場価格を参照して固定価格と交換するスワップ契約)を締結し、この予定取引である輸入に伴い支払うこととなる仕入代金に対してヘッジ会計を適用していたところ、船積みの遅延により1か月程度、ヘッジ対象である輸入商品の到着が遅れることが明らかとなったため、ヘッジ手段である元の商品スワップ契約を満期に決済し、改めて到着見込時期の価格変動をヘッジする新たな商品スワップ契約を締結したというものです。
法人税法上は、期末時及び決済時に有効性判定を行うこととされているところ、当初のヘッジ手段である商品スワップ契約について、ヘッジ対象である輸入仕入代金の支払に係る決済より先に決済が行われることとなりますので、当該商品スワップ契約の決済時において有効性判定を行うこととなります。
そして、本照会においては、上記3のとおり、ヘッジ手段である商品スワップ契約について、決済時における有効性判定において有効性要件を満たすことを照会の前提としていますので、元の商品スワップ契約の決済によって生じた損益額については、上記(1)ニのとおり、ヘッジ対象資産等の譲渡等(本照会の事例では輸入仕入代金の支払)のあった日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する(法法61の6①、法令121の5①)、すなわち、ヘッジ対象である輸入仕入代金の支払に伴い当該商品の輸入取引に係る損益が純損益として認識されるまでその計上を繰り延べることとなります。
なお、繰延ヘッジ処理の適用を受けた後に、予定取引が事情変更等により実行されないことが確実となったときは、企業会計上、繰り延べられたヘッジ手段に係る損益又は評価差額を当期の純損益として認識し(金融商品会計基準34、金融商品会計実務指針181)、法人税法上の処理としても、上記(1)ニのとおり、以後、繰延ヘッジ処理の適用はないこととなりますが、照会の事例においては、引き続き商品の輸入取引の実行が見込まれているため、この取扱いの対象ではないと考えます。

日本税制研究所


「 第62条 内国法人が合併又は分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産
及び負債の移転をしたときは、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資
産及び負債の当該合併又は分割の時の価額による譲渡をしたものとして、当該内国
法人の各事業年度の所得の金額を計算する。この場合においては、当該合併により
当該資産及び負債の移転をした当該内国法人(資本又は出資を有しないものを除
く。)は、当該合併法人から新株等(当該合併法人が当該合併により交付した当該
合併法人の株式(出資を含む。以下この項及び次条において同じ。)その他の資産
(第24条第2項(配当等の額とみなす金額)に規定する場合において同項の規定
により同項に規定する株式割当等を受けたものとみなされる当該合併法人の株式その
他の資産を含む。)をいう。)をその時の価額により取得し、直ちに当該新株等を
当該内国法人の株主等に交付したものとする。」


(注)平成18年度改正前においては、分割に関しても、合併と同様に、法人税法62条1
項後段において、「資産」「負債」の移転の対価として分割承継法人から新株等の交付
を受ける旨の定めが設けられていたが、会社法において、人的分割が廃止されて物的
分割に統一されたことを受けて、分割に関してはその旨の定めを存置する必要がない、
という理由によって削除されて現在に至っている。改めて言うまでもないが、この改
正は、分割による「資産」「負債」の移転の対価が分割承継法人の新株等でないとした
ものではなく、その移転の対価が分割承継法人の新株等であるという点に変更はない。


「 2 内国法人が適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあつては、
残余財産の全部の分配を除く。以下この項において「適格分割等」という。)によ
り分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人にデリバティブ取引(為替予
約取引等を除く。)に係る契約を移転する場合には、当該適格分割等の日の前日を
事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される当該デリバティブ取引
に係るみなし決済損益額に相当する金額は、当該適格分割等の日の属する事業年度
の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。」


「 平成18年度改正で資本金等の額の意義が「法人が株主等から出資を受けた金額」
(法法2十六)と明らかにされたことからすれば、株主等から出資を受ける行為で
ない場合には資本金等の額は増加させないこと、及び将来利益の払戻しはありうる
が将来資本の払戻しはありえないこととなり、この考え方を踏まえ、資本の部の引 デリバティブとヘッジ会計
継額の計算のあり方を考えると、まず資本金等の額の引継額を計算し、移転純資産
の帳簿価額から資本金等の額を減算した金額を利益積立金額の引継額とすることが
適当であると考えられます。そこで、このみなし事業年度を廃止し、適格分割型分
割が行われた場合の利益積立金額及び資本金等の額の引継額は、先に資本金等の額
の引継額を計算する構成とされました。」(財務省『平成22年度税制改正の解説』
297・298頁)


(注)税制においては、「適格」とする組織再編成は、従前の課税関係をそのまま継続させ
るべきものとされているため、移転する資産・負債の含み益又は含み損を益金の額又
は損金の額に計上させずに移転の処理を行うことが基本となる。平成22年度改正にお
いて、みなし事業年度を廃止しながら、分社型分割を含めて、移転するデリバティブ
取引のみなし決済損益を分割法人の益金の額又は損金の額に計上させることとした理
論的な根拠は、明確ではない。

紀伊國屋書店

第1章 デリパティブ取引とは
①デリバティブ取引の類型
②スワップ取引の具体的事例
③スワップ取引の金利メカニズム
④スワップ取引の全体像
⑤スワップ取引の発展と債券市場
⑥スワップ取引等デリバティブの今後
⑦取引のフロー(特に企業との取引
第2章 デリパティブ取引の法務
Ⅰデリパティブ取引の制度的問題
①取引主体と業法との関係
②賭博罪との関係
③金利・為替取引以外のデリバティブ取引について
④キャンセル取引について
⑤外為法との関係
⑥特許・商標
Ⅱ契約書作成における留意点
①ISDA MASTER AGREEMENTの概要
②日本語契約書作成の留意点
③ネッティング
④日本語マスター契約書
Ⅲ担保、保証等保全方法の考え方
①デリバティブ取引における担保、保証のあり方
②担保契約に関する検討
③デリバティブ保証業務の概要
Ⅳ取引先の信用不安時における実際の対応
Ⅴスワップ、オプション等具体的取引の検討
①スワップ付き特約ローン
②キャップ・フロアー
③スワップション
④クレジット・デリバティブの概要
第3章 会計およびリスク管理の制度と実務
Ⅰリスクの概要とその把握手法
①さまざまなリスク
②収益の考え方
Ⅱデリパティプ取引の会計制度等
①デリバティブ取引の時価会計の概要
②デリバティブ取引のヘツジ会計
③金融商品実務指針等における問題点と今後のあり方
④デリバティブ取引のディスクロージャー
⑤商法・税法における取扱い
Ⅲデリパティプ取引に係るBIS規制の概要
①全 体 像
②デリバティブ取引の信用リスク規制
③マーケットリスク規制
④早期是正措置について
⑤マーケットリスク、信用リスクとBIS規制と時価会計、時価ディ
スクロージャーの関係
Ⅳリスク管理のたこめの組織体制・手続のあり方
①デリバティブ部門の体制
②信用リスク管理のための社内手続
第4章 デリパティブ取引のリスクと法務のクロスオーバー問題
Ⅰ顧客取引におけるリスクと説明義務
①デリバティブ取引による損失事件と規範等作成の動き
②金融商品により発生した損害に関する裁判所の分析
Ⅱ説明義務と金融商品販売法における実務対応
①説明義務について
②デリバティブ取引における金融商品販売法対応
③顧客リスク予防のための実務対応 デリバティブとヘッジ会計
Ⅲベアリングス等国際金融倒産事件におけるデリパティプ取引の問題
①へルシュクツト事件とBCCI事件の概要
②ベアリングズ事件の概要と先物取引の問題点

第1章 デリバティブ取引とは
第2章 デリバティブ取引の法務(デリバティブ取引の制度的問題;契約書作成における留意点;担保・保証等保全方法の考え方;取引先の信用不安時における実際の対応;スワップ、オプション等具体的取引の検討)
第3章 会計およびリスク管理の制度と実務(リスクの概要とその把握手法;デリバティブ取引の会計制度等;デリバティブ取引に係るBIS規制の概要;リスク管理のための組織体制・手続のあり方)
第4章 デリバティブ取引のリスクと法務のクロスオーバー問題(顧客取引におけるリスクと説明義務;説明義務と金融商品販売法における実務対応;ベアリングズ等国際金融倒産事件におけるデリバティブ取引の問題)

著者等紹介

福島良治[フクシマリョウジ]
みずほフィナンシャルグループ・日本興業銀行勤務。1960年大阪府生まれ。1984年東京大学法学部卒業、同年旧日本長期信用銀行入行。1989年自治省大臣官房企画室出向(法令案の審査・調整、地域経済振興企画等の担当官)。1991年より金融商品開発部等でデリバティブ取引の対顧業務推進・企画、リスク管理等を担当。1998年同行退職、同年日本興業銀行入行。市場リスク管理部を経て、現在金融市場営業部にてデリバティブ取引の対顧業務推進・企画等を担当
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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近年、日本企業の国内事業環境が厳しい局面を迎える中、アジアを筆頭にした新興国が世界経済で存在感を増しています。
それに伴い、世界中の企業がアジアなどの新興マーケットの開拓を重要な経営戦略のひとつと位置付け、一層注力の度合いを高めています。
サイエストは、創業メンバーが様々な海外展開事業に携わる中で、特に日本企業の製品、サービス、コンテンツには非常に多くの可能性を秘めていると、確信するに至りました。
ただ、海外市場開拓の可能性はあるものの、その実現に苦労している企業も少なくありません。
我々はその課題を

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(2)海外事業の運営ノウハウの不足
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と捉え、それぞれに本質的なソリューションを提供してまいります。
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そうして、活発で明るい社会づくりに貢献することで、日本はもちろん、世界から広く必要とされる企業を目指します。

2022年の米ドル円のヘッジコストに関する留意点-米国の金融政策と金融規制の動向に注視すべき | ニッセイ基礎研究所

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日本の金融機関が米ドル円のヘッジや米ドルの資金調達を行う主な手段として、為替スワップや通貨スワップの活用、レポ取引の活用、米国内の支店・子会社による預金や社債の活用、米ドルCP(Commercial Paper:コマーシャル・ペーパー)・米ドルCD(Certificate of Deposit:譲渡性預金)の活用などがあり、多様化が進められてきた。ヘッジコストの変動は内外金利差の要因(図表1の緑色) 1 と内外金利差以外の要因(図表1の橙色)に分解することができるが 2 、それぞれの市場間でこれらの要因を通じて相互に影響を与え合うことになる。

1 本稿では、内外金利差の要因を米ドルと円のOIS(Overnight Index Swap)の差分としている。
2 ヘッジコストの変動に関する要因分解については「通貨スワップ市場の変動要因について考える-通貨スワップの市場環境が与えるヘッジコストへの影響」(ニッセイ基礎研究所、2016年10月19日)などを参照されたい。

1内外金利差の要因
米ドルと円の内外金利差が拡大すると、先物為替レートと直物為替レートの関係から、米ドル円のヘッジコストが上昇する。特に注意すべきなのは米国の利上げの動向である。先述したように新型コロナウイルス感染症拡大以降のヘッジコストの低下のほとんどは内外金利差の縮小で説明できる。インフレ見通しの高まりや失業率見通しの低下から、今後米国は金融緩和の縮小、さらには引き締めの方向に転換することになる。2021年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では2022年の利上げ回数の中央値を2~3回とした。想定通りに利上げが実施されると、(日本銀行の金融政策に変更がないことが前提になるが、)内外金利差の要因から0.5~0.75%程度のヘッジコストの上昇が生じることになる。

2内外金利差以外の要因
ヘッジコストは内外金利差以外の要因でも変動する。主に異なる通貨の市場間の流動性(需給)の違いで説明することができる。特に、金融当局による金融政策や金融規制の変更は、異なる通貨の市場間の流動性に格差が生じる要因となることが多い。特に2022年は米国の金融政策や金融規制の影響から、内外金利差以外の要因を通じてヘッジコストが上昇する可能性がある。

金融規制の動向についても注意しておく必要があると考えている。為替スワップ、通貨スワップやレポ取引の活用は、金融機関のバランスシートの拡大につながる。そのため、米国金融機関のバランスシートの拡大の抑制を目的とする補完的レバレッジ比率規制 3 の影響を受けることになる。FRBは新型コロナウイルスの拡大に際して生じた流動性の不足に対して、一時的に準備預金や米国債を補完的レバレッジ比率の算入対象から除外する対応を行った。この一時的な緩和措置については「今後恒久的な変更について議論を行う」とした上で2021年3月末に終了している。現状の補完的レバレッジ比率規制の下では、米国の金融機関と為替スワップ、通貨スワップやレポ取引でヘッジ取引や資金調達を行うと、規制対応に必要なコストが上乗せされることになる 4 。

米国のMMF(Money Market Fund)規制の動向にも注意を払いたい。米国には現金や短期国債などで運用するガバメントMMFと米ドルCPや米ドルCDなどで運用するプライムMMFがある。米国外の金融機関にとってプライムMMFは米ドル調達の重要な受け皿になっている。2016年に実施されたMMF規制では、プライムMMFの資金の引き出しに一定の制約が設けられ、機関投資家に対して時価評価を行う(=元本保証ではなくなる)など規制が強化され、残高が急激に減少した(図表2)。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年3月には、リスク回避行動から投資家による現金等への需要が急増し、ガバメントMMFの残高は増加した一方で、プライムMMFからは資金が流出した。この際、FRBはプライムMMFを担保に資金供給を行うプログラムを導入するなどの対応措置を行った。この時のプライムMMFに生じた残高減少は米ドル調達コストの急上昇をもたらした要因の一つと認識されており、再び同じような事態が発生しないようにMMF規制が強化される方向にある。具体的には、MMFには突如として多額の償還に対応する必要に迫られ、金融市場のストレス下においては資産売却が困難になるという2つの脆弱性があるため、投資家に対する償還コストの転嫁、信用損失の吸収力の向上、閾値効果への対処、一定割合の流動性資産の保持といった政策手段が必要だとしている 5 。2020年3月以降、プライムMMF残高は減少傾向にある。2016年と同様に規制強化となれば、それに起因してプライムMMFにさらなる残高減少が生じ、米ドルCP・米ドルCDを通じた資金調達コストが上昇することになると予想できる。そうなれば、その他の手段におけるヘッジコストにも波及することになるだろう。

図表2:ガバメントMMFとプライムMMFの残高推移(10億米ドル)

3 米国の補完的レバレッジ比率規制では、大手金融機関に対してTier1資本をエクスポージャーで除した比率を5%以上とすることを求めている。エクスポージャーには準備預金や米国債などのオンバランス項目だけでなくデリバティブやレポ取引等も含まれる。
4 2018年3月に公表されたBIS(国際決済銀行)の報告書によると、日本の金融機関の補完的レバレッジ比率規制への対応策として、デリバティブやレポ取引外の調達手段を活用するだけでなく、米国の金融規制が適用されない欧州の金融機関等との取引を拡大するなどの対応策も実行されている(B Aldasoro, デリバティブとヘッジ会計 I., Ehlers, T., & Eren, E. (2018). Business models and dollar funding of global banks.)。
5 デリバティブとヘッジ会計 詳しくは、”Policy proposals to enhance money market fund resilience: Final report”(FRB、2021年10月11日)、” SEC Proposes Amendments to Money Market Fund Rules”(SEC、2021年12月15日)を参照されたい。

3中央銀行間のスワップ取極の動向
以上、内外金利差以外の要因について今後の見通しについて説明してきたが、米国と5中央銀行(欧州、英国、スイス、カナダ、日本)とのスワップ取極(常設)の活用という手段により、主要な通貨間の米ドルの資金調達に対する下支えがあることから、内外金利差以外の要因に起因したヘッジコストの上昇は一定程度抑制されるものと考えている。ただし、FRBと9中央銀行(オーストラリア、ブラジル、デンマーク、韓国、メキシコ、ノルウェー、ニュージーランド、シンガポール、スウェーデン)とのスワップ取極は常設ではないため、今後、終了する可能性がある点には留意する必要がある 6 。

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